映画上映会「グリーフケアの時代に ~あなたはひとりじゃない~」

大切なものを失い、深い悲しみの中にいる人が、再び歩み出していけるよう支えること。

それが「グリーフケア」です。

本作品では、喪失を経験した方々や、グリーフケアに携わる支援者へのインタビューを通して、「悲しみと共に生きること」について丁寧に描かれています。

また、ケアを受ける立場だった方が、やがて誰かを支える側へと歩み出していく姿も紹介されており、人と人とのつながりの大切さを感じられる内容となっています。

映画を通して、「悲しみは特別なものではなく、誰の人生にも起こりうるもの」であること、そして、ひとりではなく人と共に歩んでいくことの大切さを感じていただければと思います。

企画者からのメッセージ

Grief share Kizuna 代表

岩本恵利香

母をがんで亡くし哀しみに明け暮れているとき、グリーフケアに出会う。この感情は誰にでも起こり得ることだと理解できるようになる。以降、自身の喪失経験を悩める誰かの助けにできないかと2022年9月 Grief share Kizunaを発足する。

私がグリーフケアに出会ったのは、母の死がきっかけでした。

病とともに歩む母の姿を一番近くで見ていた私は母が亡くなってから、それまで体験したことのない感情を抱くようになりました。

親子で歩く人を見ること。人数の減った家族の料理を作ること。母の日で世間が賑わうこと。

そんな日常の中で、どこにもぶつけられない怒りや嫉妬のような感情を抱えている自分がいました。

母と過ごした楽しかったことや嬉しかったこと、辛かったこと。

そんな思い出を話したくても話せる相手はおらず「なかったこと」にしようと、自分の気持ちに蓋をしていました。

そして、いつの間にか、悲しくても「泣く」ことができなくなっている自分に気がつきました。

そんな時に「グリーフケア」を知ります。

自分が抱いていた感情が喪失によって生まれる自然な感情の一つなのだと知り、少し心が救われたように感じました。

また、誰しもが経験しうるごく当たり前の感情であっても、それを分かち合い、安心して話せる場が少ないことで、人は孤独や孤立を深めてしまうのだという現実も知りました。

人は生まれ、いつか必ず死を迎えます。

その死をどう迎えるのか。

また、その死をどう受け止めていくのか。

それによって、遺された人の人生は大きく変わっていくのだと思います。

だからこそ、自分だけに目を向けるのではなく、さまざまな理由で死を迎えることを知り、悲しみを比べ合うのではなく「今ここにあるいのち」を大切にしてほしい。

そんな想いから、この映画上映を決めました。

受け取り方は、人それぞれです。

この映画を見終えたあとに、いのちの尊さや大切な人との時間について、改めて考えるきっかけになることができれば嬉しいです。

主催者からのメッセージ

みんなで知ろうがんのこと栃木 代表

髙橋恵未

グリーフとは、死別だけを意味するものではありません。

病気になること、怪我をすること、これまで出来ていたことが出来なくなること。

自分の健康状態や生活、役割が変化することで、人はさまざまな「喪失」を経験します。

実は、「グリーフ」という言葉を、私自身も知ったのは最近のことでした。

がんを経験し、がん支援活動に関わるようになってから、患者さんやご家族、そして大切な人との別れを経験した方々と出会う中で、「グリーフ」という言葉と向き合うようになりました。

私自身、がんを経験する中で、身体の変化や副作用、将来への不安など、多くの喪失を経験しました。

また、がんをきっかけに出会った大切な仲間との別れも経験しました。

だからこそ、グリーフというテーマは、私にとってとても身近で、大切なものです。

悲しみは、周囲から見えにくく、時には「頑張らなければ」とひとりで抱え込んでしまうこともあります。

けれど、本当は誰かと気持ちを分かち合い、「ひとりではない」と感じられることが、大きな支えになるのだと思います。

この映画を通して、グリーフは特別な人だけのものではなく、誰の人生にも起こりうるものだということ、そして、悲しみを抱えながらも、人と支え合いながら生きていくことの大切さを感じていただけたら嬉しく思います。

悲しみを無理に忘れるのではなく、「共に抱えながら生きていく」。

そのような時間を、皆さまと共有できれば幸いです。

登壇者紹介

萬松寺・桂林寺住職

木村就芳

昭和52年生まれ 宇都宮市にある萬松寺で生まれ育ち、駒澤大学仏教学部卒業後、福井県の大本山永平寺にて2年間修行。

萬松寺住職就任後は、坐禅会や写経会などを開催し、地域に開かれた寺院づくりに取り組まれています。現在は、清住にある桂林寺の住職も兼任されています。

日々、亡くなられた方のご遺族に寄り添う住職としての立場から、そしてご自身も大切な方やご家族との別れを経験された立場から、グリーフや悲しみと共に生きることについてお話しいただきます。

主催・協力・後援

【主催】みんなで知ろうがんのこと栃木   【協力】Grief share Kizuna

【助成事業】公益財団法人 正力厚生会/公益財団法人 キリン福祉財団

【後援】下野新聞社 宇都宮コミュニティーFM ミヤラジ

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